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CUE DIARY キューダイアリー

2022

2/8

22:00

鈴井 貴之

エピソード

鈴井 貴之

OOPARTS「D-river」前半戦が終了しました。
コロナ禍にもかかわらず劇場に足を運んでくださるお客様には感謝しかありません。
ありがとうございます。
しかもSNSで拡散してくださり今「おかわり」というフレーズをよく目にします。
もう一度見る。それが「おかわり」です。リピーター率も高まりありがたいです。

さて公演中のちょっとしたエピソード

1>

昨日、終演後、外に出るといかにも「出待ち」という方がいらっしゃいました。
僕を見るなり「あ!」と気付きました。ですがその方は50代男性。同年代の方です。
多分、パンフレットにサインをくださいとお願いされるのかな?と思いました。
ですが、すぐには近づいては来ませんでした。
背後に気配を感じながら、100メートルくらい歩いたところで、その方は
僕の前に立ち
「あのう」と声を掛けてきました。

手には、一輪の真っ赤なバラを持っていました。

僕は「ああ、はい」と答えるしかありませんでした。

そして彼が口にしたのは

「大内さんですか?」でした。

へ?

ああ、いや、違いますと正直に答えるしかないですよね。
あらら、ひと間違い。
なんだろう、50代男性、赤いバラ、ひと間違い、複雑な思いと笑みがこぼれました。

今日、大内さんに尋ねると、その方とは遭遇していないみたいです。

ただ、僕は見ました。今日も外で彼は待っていました。僕を見るなり柱の陰に隠れたのを
僕は見逃していません。
この続きは、明後日大内さんに訊こう。

2>

本日、本番1時間30分前。
発声訓練を終えても声の調子がイマイチ。そこでのど飴をなめました。
ただ、僕はいつもそうですが飴は最後にかじってしまう。
「ガリ!」
が、何か鈍い音。左上の差し歯が取れました。それは2連で、つまり歯が2本分。
さらには左前歯も少し欠けてしまいました。

「やばい、本番1時間半前」

ここは応急処置として瞬間接着剤でつけるしかない。いや分かってます。
歯を瞬間接着剤でつけてはいけません。でももう時間がないのです。
歯抜けで舞台に立つわけには行かない。

すぐさま、最寄りのコンビニへ。サンシャイン劇場からは地下に行き、東池袋駅
近くのコンビニだと、ジャージ姿のまま急ぎました。
でも、瞬間接着剤でつけたとしても本番中に外れてしまわないだろうかという
不安がつきまとう。本番前なのにテンションだだ下がりでした。

コンビニへ向かう途中、その地下通路に「歯科」という看板がありました。
中を覗くと待合室に人はいない。
ダメもとで、そこへ入りました。
「あのう、予約はないです。実は今、差し歯が外れました。舞台をやってましてこの後、1時間半後に本番があるんです。応急処置でも構わないので差し歯を付けていただけないでしょうか」
最初、受付の方は困った表情を浮かべましたが、医師の方が出てきて
「わかりました」
と言って対応してくださりました。

そもそも僕は歯がすごく外れやすいのです。

それでも丁寧に対応してくださり、欠けた前歯の部分も埋めてくださました。
最後には
「もしもまた外れたら、いつでも電話してください。すぐに対応します」
と言ってくださいました。

東池袋 ブルームデンタルサロン。本当に感謝です。

そしてお客様が入場する開場時、本番1時間前、僕は劇場に戻ってきました。

本当に今回は観客であるお客様を筆頭に、さまざまな人に助けられている。

そう実感する公演です。本当に感謝です。

明日は休演日。

明後日から東京後半戦。走り抜けます!!!!