CUE DIARY

鈴井貴之 鈴井貴之 2018/03/18 22:00 名解説者

本日、3月18日 日曜日
札幌ドームにて、Jリーグ第4節、札幌対長崎戦がありました。

開幕戦は広島まで行きましたからもちろん札幌市営交通東豊線に乗り行きました。前節まで勝利のないコンサドーレでしたから、この戦いこそは勝利が絶対に必要だったのです。

結果は後半アディショナルタイムに「タイのメッシ」こと18番のチャナティプ選手がヘディングシュートを決め2−1で勝利。劇的な勝ちでした。

この試合、僕の後ろの席に多分、小学3、4年生くらいの男の子がお父さんと2人で観戦していました。後ろを振り返っていなかったのでその容姿を見てはいません。

その彼、プレイに関し、ことごとく解説応援をするのですが、それが大人顔負けの的確なコメントを言うのです。

ボールを持った選手に「自分で運べ」とか「守りが4人いるから一端後ろに」とか、とにかく状況を子供とは思えない的確な判断をするのです。

それでいて「頼む!」「諦めるな希望を持て!」と非常にポジティブなのです。

よくいるでしょう。大人で直接ゲームを見て悲観的なヤジを飛ばす人。それとはまったく違う清々しいコメントの数々です。ゲームはもちろんですが後方から聞こえる彼の言葉に聞き入ってしましました。

極め付けは、コンサドーレのチャンスに言った一言、「頼む、神様、仏様、おばあちゃん!」

多分、最近、おばあちゃんが神様か仏様になられたんでしょうね。悲しみを含みつつもほっこりとするコメントでした。

僕は、試合後、振り返り彼とハイタッチしたいと思うようになりました。それには勝利が必要です。勝って彼と喜びを分かち合いた。

ですが、後半、アディショナルタイムになった時、彼の父親が「帰りは地下鉄が混むから、もう帰ろう」と言ったのです。もちろん少年は最後まで見たいと主張しましたが、親の言うことには逆らえず、試合がまだ終わっていないのに席を立ってしまったのです。

その直後、チャナティプ選手の勝ち越しゴールが生まれました。

スタジアムは歓喜に湧きましたが、その時はじめて振り返った後方の座席には、あの少年の姿はありませんでした。いたら一緒にハイタッチができたのに。喜びの中で、少しだけ切ない気持ちになりました。

札幌ドーム、3月18日、57通路36列、多分128か129に座っていた少年。また会える日を楽しみにします。

今度は勝利のハイタッチしような!

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